藤原鎌足の贈答歌(4)金沢本万葉集を臨書して
4.采女とは
原文:「内大臣藤原卿娶采女安見児時作歌一首」
書き下し文は「内大臣藤原卿が采女安見児(うぬめやすみこ)を娶った時作った歌一首」
解説:藤原鎌足が采女の安見児をめとったときの歌である。先出した鏡王女は鎌足の正室であり、采女の安見児は次に迎えられたのだろう。
通常、采女になったものは男性に接することを禁じられていたと見られる。『代匠記精撰本』には「采女ハ青衣ヲ著、頭巾、手□ナト掛テ、帝ノ陪膳ヲ宰トル女官ナリ」とある。
参考文献:万葉秀歌(一) 久松潜一著 講談社学術文庫


