万葉集の相聞歌(12)金沢本を臨書して

12.いあかして
釈文:「居明而君乎者将待奴婆珠能吾黒髪爾 霜者零騰父」

書き下し文は「居明而(ゐあかして)君乎者将待(きみをばまたむ)奴婆珠能(ぬばたまの)吾黒髪爾(わがくろかみに)霜者零騰父(しもはおくとも)

鑑賞:「居明かして」寝ずにすわって夜を明かす。「ぬばたま」ヒオウギの種子。丸くて黒い。「ぬばたまの」枕詞「黒」「夜」「月」「暗き」「今宵」「夢」「寝」「妹」などにかかる。

参考文献:金沢本万葉集 藤原定信筆 二玄社