御兄の君達の御迎へに(8)和泉式部日記より
8.結びのことば
釈文:「宮の上御文書き、女御殿の御ことば、さしもあらじ、書きなしなめり、と本に。」
選字は「宮の上御文書支女御殿乃御こと者佐し毛あらし書支な志奈免里と本二」
鑑賞:「宮の上御文書き、女御殿の御ことば・・・」北の方のお手紙の書き方や、女御殿のお言葉も、こうしたことはないでしょう、作者が勝手に書いたことですから、と本にありました。
この本の写し手がそのように述べた、という体をとりながら、原作者の賛辞などと見る説が有力である。
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
