院の御所にて参賀の儀式(1)和泉式部日記から

1.院の拝礼
釈文:「年かへりて、正月一日、院の拝礼に、殿ばらかずをつくして参り給へり、宮もおはしますを、見まゐらすれば、いと若う」

選字は「年可倍りて正月一日院の拝礼に殿者か春を 徒久し天参利多ま部里宮も於者しま須乎 見ま散ら春れ者いと若う」

鑑賞:「年かへりて」長保六年(1004)七月改元して寛弘元年。「院の拝礼」正月に院の御所で行われる参賀の儀式。ここでは師宮の父冷和泉院に参賀する。

「殿ばら」はこの参賀の公卿や殿上人。

参考文献;和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社