北の方も主人としての愛情で(2)和泉式部日記より

2.人をやとうからには
釈文:「と泣く泣くきこえ給へば、人つかはんからに、御覚えのなかるべきことかは、御気色あしきにしたがひて」

選字は「と泣くヽヽ支許盈多ま遍八比とつ可は無可らに 御お本盈乃難閑る邊支こ登可盤御気色あ しきに志多か日弖」

鑑賞:「人つかはんからに」人をやとって使うからには。「御覚えのなかるべきことかは」主人として家臣に愛情をもたないわけにはいきません。ここでは北の方が女に対する態度のこと。

「御気色あしきにしたがひて」あなたのご機嫌がよろしくない者ですから。宮は北の方に女は召人なのだから、態度を改めるよう促している。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社