十二月十八日に贈答歌の終焉(5)和泉式部日記から
5.十二月十八日
釈文:「ここにも聞きにくくぞ言はん、ただわれ行きて、ゐて去なん、とおぼして、十二月十八日、月糸良きほどなるに、おはしましたり。」
選字は「こヽ耳裳聞支に具ヽ曽言者無多ヽわ 連行支て井弖去な无東おほし天 十二月十八日月伊とよ記本と奈流爾お盤 しま志多利」
鑑賞:「ここにも聞きにくくぞ言はん」宮邸でもよくない噂を立てられるだろう。「ゐて去なん」つれて行こう。
大意は「宮邸へ行ってもよくない噂を立てられるだろうが、連れて行こうと思われて、十二月十八日、月の美しいころ女の元へいらした。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
