十二月十八日に贈答歌の終焉(3)和泉式部日記から
3.つらいことばかりの
釈文:「ときこえたれば、『くれ竹のうきふししげきよの中に あらじとぞ思ふしばしばかりも』」
選字は「東きこ盈多連八 具連竹能う支布志ヽ遣支よの中二 阿羅しと處於毛ふ斯盤し者か里母」
鑑賞:「くれ竹の」は「節(ふし)」の枕詞。「うきふし」はつらいこと。二人の関係が恋愛から変容し、贈答歌は終わりを迎える。
歌意は「このようなつらいことばかりですと、このままでいようとは思いません、わずかの間だけでも。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫
