雪を白梅に見立てて歌を(5)和泉式部日記より

5.凍りつくほど
釈文:「御返し、いでや、『冬の夜のめさへ氷りにとぢられて あかしがたきをあかしつるかな』」

選字は「御返し意傳や 婦ゆ農夜乃免佐へ氷り二東遅られて あ駕し可堂支越阿閑し徒る可奈」

鑑賞:「目」に「妻(め)」をかけ、「明かし」に「開かし」をかけたことは、前の歌に同様である。

歌意は「冬の夜の寒さは、目さえ凍りついてしまうほどで、目をあけておられず、眠れませんのにとうとう夜を明かしてしまいました。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社