漢詩を作られるのでしたら(1)和泉式部日記より

1.作文の会
釈文:「御文あり。『おぼつかなくなりにければ、参り来て、思ひつるを、人々文つくるめれば』とのたまはせたれば」

選字は「御文あ利於本つ可奈具那里に希連八まゐ利 来弖登思ひ徒る越人々文都久流めれ盤と能 多満者せ多連盤」

鑑賞:「人々文つくる」藤原行成の日記によれば、長保五年十一月二十八日宮中で作文(漢詩を作ること)の会が催された。

通説によれば、帥の宮は漢詩の素養があり、当日も参加したと思われる。
一方、歌の内容からすると、宮邸で催された漢詩会とも取れる。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社