心細き夕暮れ冬の空(1)和泉式部日記より

1.透けて見える冬空
釈文:「色々に見えし木の葉も残りなく、空もあかう晴れたるに、やうやう入りはつる日影の、心細く見ゆれば、例の、きこゆ。」

選字は「色々耳三盈し木の葉も残り奈久 空もあかう晴れ多る二やうヽヽ入利つ類日 可希能こヽ楼本曽供見ゆ連八例農支こ遊」

鑑賞:「色々に見えし木の葉も残りなく」秋に紅葉した葉が冬には落ちて空が透けて見えてくるさま。「やうやう入りはつる日影」だんだんと西へ沈んでしまった様子。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社