宮の疑念と女の逡巡(13)和泉式部日記より
13.暮れてから
釈文:「ときこえてあるほどに、暮れぬれば、おはしましたり。なほ人の言ふことのあれば、よもとは思ひながらきこえしに」
選字は「ときこ江てあ流本と二暮れぬ連八お者志 まし堂里な本人農言布ことの阿連八 よ裳とは思ひ奈可羅支許えし二かヽ類こと」
鑑賞:「おはしましたり」女の歌に心の勁さを感じて驚いたか、宮はお出ましになった。「よもとは」下に打ち消しの語を伴って、まさか、いくらなんでも。前に宮が述べた女の噂の件。
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
