寝覚めの夢をふしみの旅路で(3)和泉式部日記より
3.みなが寝静まって
釈文:「人静まりてぞおはしまして、御車にたてまつりて、よろづのことをのたまはせ契る。心えぬ宿直のをのこどもぞめぐりありく。」
選字は「人静ま利傳曽お盤 志万し天御車耳多てま徒里て よ露つ農こと越乃まはせち希る 心盈ぬ宿直の遠農こ登毛曽免久利 あ利倶」
鑑賞:「心えぬ」事情を知らぬ。兼隆は近衛所の次官なので、その部下たちが警備していた。
大意は「皆が寝静まってから、宮はいらして御車に乗られて、南院入りのことなどをお話になる。事情を知らない部下たちが周りを警護している。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社
