時雨の紅葉・風の前なる(11)和泉式部日記を書いて

11.ある日のお断りを
釈文:「ひと日、おはしましたりしに、さはることありてきこえさせぬぞと申ししをおぼし出でて」

選字は「ひと日於者し万志多里し二佐盤ること あ利てき許えさ勢ぬ曽登申しヽ越お ほし出傳て」

鑑賞:「ひと日」ある日

大意は「ある日、宮が女の元へいらした時、はばかりがあり、お目にかかることができない、とお断りしたことがあった。そのことを今思い出して。後の『とあれば』へとつづく。」

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫