大鳥の羽に霜(4)和泉式部日記より

4.月も見ない方は
釈文:「月も見でねにきと言ひし人の上に おきしもせじを大鳥のごと」

選字は「月も見亭年耳支登言ひし人農上二 於支し毛勢事をおほとりのこと」

歌意は「月も見ずに寝てしまった、と言ってきたあなたですから起きているはずはありません。風俗歌の大鳥の羽に霜など置いていなかったようにね。」

鑑賞:風俗歌になぞらえて噂ばなしを否定した。「起き」と「置きて」、「しも」と「霜」をかける。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社