大鳥の羽に霜(3)和泉式部日記より

3.千鳥の告げ口
釈文:「『わが上は千鳥もつげじ大鳥の 羽にも霜はさやはおきける』ときこえさせたれば」

選字は「わ可上は千鳥も徒希志於本と里の 羽耳毛霜者さや盤お支け留 と記こ盈佐せ多連八」

鑑賞:風俗歌「大鳥」の「大鳥の羽にやれな霜降れり、やれな誰かさ言ふ、千鳥ぞさ言ふ」による。

歌意:初めの二句は君を待ち明かしたわたしの袖に霜のおいたことは、千鳥もお知らせしなかったでしょう。女は風俗歌を踏まえて詠んだもの。

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫