智永千字文の筆つかいにみる(18)楷書と草書

18.西方の異民族を
釈文:「臣伏戎羌」
現代語にすると「周囲の異民族を家臣として服従させる。」

鑑賞:「臣伏」家臣として服従させること。
「戎羌」(じゅうきょう):戎も羌も西方の異民族をさすが、ここでは周囲の異民族全体を表す。

君主が特によって天下を強化すれば、それを感じた異民族も服従して、臣下となる。昔、周の武王が紂をうち天子となったとき、それに感じた東夷・西戎・南蛮・北狄が訪れて臣下となった。しかし、ただ丁候だけが従わなかった。

その際、太公は計を提案して、丁候が自らやってきて進化となるように仕向けた。

参考文献:千字文 小川環樹他注解 岩波文庫