「千字文」智永にみる草書の筆法(7)臨書して
7.左右旋回の「露
「露」:雨冠は右に」張り出して、返す筆は力強い。「足偏」は言偏と同じ略法である。「各」は定まった略し方である。
「左右旋回の筆法」:智永の草書の特徴は、文字の結体に丸みを帯びていることだが、左右旋回の運筆を学ぶことで明確になる。左旋回(左向性)と右旋回(右向性)の筆使いが上手にかみあっている。
点画の形成は起筆から終筆まで、太い丸みのある曲線でできている。点画の組み立ては丸い曲線が、左右で相対する。その曲線によって囲まれた、空間の配分にも美しさがある。
参考文献:智永千字文 近藤摂南編 二玄社
