「千字文」智永にみる草書の筆法(2)臨書して

2.閏月によって
「閏」:右に張った門構えは重厚感をともなう右旋回から、やや左に「王」を寄せながら最後の点でバランスを保っている。

釈文:「閏餘成歳」
書き下し文は「閏(うるふ)月の余りは歳を成す」

鑑賞:「閏餘」は閏月のこと。太陰暦では月の満ち欠けから暦を作るが、実際にはずれが生じ、一年に十二日がずれることとなる。

そのため十九年に七回の閏月を設けて、季節と暦を合わせた。閏月のある年は一年が十三か月となる。

参考文献:千字文 小川環樹他編 岩波文庫