智永「千字文」を読み書き(7)草書に親しむ

7.寒さがやってくれば
釈文:「寒来暑往 秋収冬蔵」
書き下し文は「寒きこと来れば 暑きこといぬ。秋はとりおさめ 冬はおさむ。」

現代語にすると「寒さが来れば、暑さは去る。秋には作物を収穫し、冬には蔵に収める。」

鑑賞:春は青陽といい、風気(自然が生物に及ぼす力)は温和で、夏は朱明と呼び、風気は炎熱。秋は白蔵で、風気は清涼である。冬は玄英といい、風気は凛烈である。

四季の移り変わりは五穀をもたらす。春の芽ばえ、夏の成長、秋は取り入れ、冬には蔵におさめるという一年の流れである。

参考文献:千字文 小川環樹他編 岩波文庫