智永「千字文」を読み書き(2)楷・草書に親しむ
2.天地玄黄
釈文:「天地玄黄 宇宙洪荒」
書き下し文は「天地は玄黄 宇宙は洪荒」
現代語にすると、「天の色は黒く、地の色は黄色である。
空間や時間は広大で、茫漠としている。」
鑑賞:陰陽のうち、軽く澄んだものは上へ登り天となり、重く濁ったものは下へさがって地となる。「宇」は天が万物を覆っている形が屋根のようであることから名付けた。
「宙」は過去・現在・未来をいう。「洪」は「大」の意味であり、「荒」は極遠の地のさらに外側の人が踏み入れたことがない場所をいう。
おとなの書では、意味を知ることで、言葉の持つ奥深さを味わい、学ぶ楽しさが増すことでしょう。
参考文献:千字文 小川環樹他注解 岩波文庫
真草千字文 智永 二玄社
