智永「千字文」を読み書き(1)楷・草書に親しむ

1.千字文とは
千字文は四字一句、二百五十句から成る四言古詩である。其成立については諸説あるが、一般には梁の周興嗣(しゅうこうし)の作が知られている。

武帝が王子たちの手本用に、殷鉄石に命じ王羲之書の中から千字を集めて模本を作らせ、名文家の周が韻文にまとめたものである。

古来より中国や朝鮮、日本において早くから漢字学習や習字の手本として珍重された。我が国では『東大寺献物帳』に記載されるほか、いくつかの遺例があり、早くから千字文が普及していたことがわかる。

参考文献:真草千字文 智永 二玄社