露むすぶ道の(1)和泉式部日記を書いて
1.格子をあげて
釈文:「格子をあげながらありつれば、ただひとり端にふしても、いかにせまし、と、人笑へにやあらん、とさまざまに思ひ乱れてふしたるほどに、御文あり。」
選字は「格子越あ希な可ら阿里つれ者多ヽひと利 盤し二婦志て毛い可耳勢まし登人 笑へ爾やあら無と佐万ヽヽ爾思ひ美多連 亭ふし堂流本と二御文あ里」
鑑賞:「格子をあげながら」宮が出られた後そのままにして。「人笑へにやあらん」人に笑われるのではないだろうか。女は思いが千々に乱れて悶々としていたのだ。
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社