行書般若心経-真実不虚(3)集字聖教序より

3.苦しみを除く
釈文:「能除一切苦。真実不虚。」
書き下し文は「能く一切の苦を除き、真実にして虚ならず。」

鑑賞:「能除一切苦」は一切の苦しみを除く。「真実不虚」真実の世界を示している。

仏教教理を特徴づける三つの根本的教説(諸行無常・諸法無我・涅槃寂静)を三法印というが、これに一切皆苦を加えて四法印とする。

一切皆苦を四苦ともいうが、それは生・老・病・死の苦しみである。四苦八苦はさらに四苦を加えるが、中でも求めるものが得られない苦しみ(求不得苦)は人々を悩ませるものである。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫