行書般若心経-三世諸仏(2)集字聖教序より

2.阿耨多羅(あのくたら)
釈文:「得阿耨多羅三藐三菩提」
書き下し文は「阿耨多羅三藐三菩提を得たまへり。」

鑑賞:「阿耨多羅三藐三菩提」は梵語の「アヌッタラ、サミャク、サンボーディン」音写。阿は無、耨多羅は上、三藐は正、三は等、菩提は覚のことで、無上正等正覚と訳される。つまりすべての智慧が集まっている最高の正しい悟りの意で、仏陀の悟りをさす。

比叡山を開かれた伝教大師は、「あのくたらさんみゃくさんぼだいの仏たち わが立つ袖に冥加あらせたまへ」と詠まれた。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫
般若心経講義 高神覚昇著 角川文庫