行書般若心経-無無亦無得(2)集字般若心経より

2.無所得なるを
釈文:「以無所得故」
書き下し文は「無所得なるを以ての故に」

鑑賞:この前半で一切の万物は空である。その空なりと悟ったことが般若を体得したことだと思ってとらわれてしまう、と説いた。

後半部分では、体得したと思った良さそうなもの「所得」をありがたいものと思い込み、求めようとしたり、手にしたいと願ったりするかもしれないが、それさえもない、ということを示している。

あれもこれもない、ということは「ない」ことが「空」であると思い込み、執着することも否定している。

参考文献:般若心経講義 高神覚昇著 角川文庫