行書般若心経(11)集字聖教序より

11.色即是空
釈文:「色即是空 空即是色」
書き下し文は「色は即ち是れ空、空は即ち是れ色なり。」

鑑賞:「色即是空」はよく知られていることばである。すべては空であって何もないと考えがちであるが、それでは一面の見方にすぎない。

空といって、それに執着していては実相が見えないので、「空即是色」といったのである。禅ではこれを「無一物中無尽蔵」ともいい、何もないところに無限のものを入れることができるという。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫