行書般若心経(9)集字聖教序より

9.空
次に「空」ということばである。全ての事物は縁によって成り立っており、永遠不変の固定した実体はないということである。

たとえば、ある人が自分の立場からものを見る。自分に都合の良いように振る舞えば、他の人もそうであろうと思う。ところが、自分という枠を離れて、自他の別なくそのままである姿に気がつけば、自分という入れ物にこだわる必要がなくなる。

観音菩薩は世界の実相が空であると体験された。私たち自らが観音さまそのものであることを示されている。

参考文献:般若心経講和 鎌田茂雄著 講談社学術文庫