あかつき起きの文に御返歌五首(2)和泉式部日記より
2.張り合いがない気持ちで
釈文:「女、ながめ出だしてゐたるに、もて来たれば、あへなき心地してひきあけたれば、『秋のうちはくちけるものを人もさは わが袖とのみ思ひけるかな』
選字は「女奈可免出多し傳井多る二裳て来 堂連八あ遍那支心地志てひ支愛希多れ盤『秋のう遅八久地る裳能を人毛佐盤 わ可袖と農美おも比介流可奈』」
鑑賞:「あへなき心地して」張り合いがない気持ちがして。
歌意は「秋のうちに朽ちてしまった袖は私だけかと思っていましたが、誰でもないあなたもでしたか。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社