あかつき起きの文に御返歌五首(1)和泉式部日記より

1.宮から御文
釈文:「宮わたりにやきこえまし、と思ふに、たてまつりたれば、うち見給ひて、かひなくはおぼされねど、ながめゐたらんに、ふとやらんとおぼして、つかはす。」

選字は「宮わ多り爾や支こ盈まし登思布二堂て 万徒利多連八う遅見多ま飛てかひ奈久盤於本さ れ年と難可免ゐ多ら無にふとやら无とおほ志て つ可盤須」

鑑賞:「宮わたりにやきこえまし」宮さまのもとへ文をさしあげようと考えていたところ、宮さまから御文が来たので。
「かひなくはおぼされねど」は「ふとやらんとおぼして」にかかる。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社