あかつき起きの文に五首贈答歌その二(5)和泉式部日記から
5.ただ今
釈文:「ただ今この門をうちたたかする人あらん、いかにおぼえなん、いでや、たれかかくて明かす人あらむ。」
選字は「多ヽ今この門越う遅たヽ可春る人あら無 伊可耳おほえ奈无いてや多連かヽ久て あ可須日と愛らむ」
鑑賞:「うちたたかする人あらん」(門を)たたく人がいたら。宮さまが訪ねてくれたら、の意味が含まれる。
大意は「ただ今この門をたたく人がいたら、どのように思うだろうか。でも、ほかに誰がこのように夜を明かす人がいるだろう。」
参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社