あかつき起きの文に五首贈答歌その一(3)和泉式部日記を書いて

3.わたしの袖は
釈文:「秋のうちはくちはてぬべしことわりの 時雨にたれか袖はからまし」

選字は「秋のう遅は具千盤てぬ遍志ことわ里の し九禮耳多連か處傳者可ら満志」

鑑賞:「誰か」は「誰にか」の意味。

歌意は「わたしの袖は秋のうちに朽ちてしまうだろう。やがてやってくるにちがいない時雨の季節にいったい誰に袖を借りたものだろうか。」

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫