秋の夜のありあけ月が(1)和泉式部日記を書いて
1.女は寝ないで
釈文:「女はねで、やがて明かしつ。いみじうきりたる空をながめつつ、あかくなりぬれば、このあかつき起きのほどのことどもを、ものに書き作るほどにぞ、例の御文ある。」
選字は「女は年てや可傳あ可しつ意み志う支理多類 所らを那可免つヽ阿可九奈りぬ連八こ能あ閑徒 支起きのほと乃こ登毛越もの耳書支徒久る 本と耳處例の御文ある」
鑑賞:「女はねで」女は寝ないで。「やがて」そのまま夜を。「あかつき起き」明け方まで起きていること。
参考文献:和泉式部日記 野村精一校注 新潮社