野分の風に(1)和泉式部日記から

1.もう一度
釈文:「御返し、ただかくなむ。『山を出でて冥(くら)きみちにぞたどりこし 今ひとたびのあふことにより」

選字は「御返し多ヽか久奈無 山を出傳ヽ久羅きみ遅曽多登里こ志 い万非度多日能あ布ことによ梨」

歌意は「山を出て暗い道に迷いながら戻って参りました。もう一度宮様にお会いしたいばかりに」

鑑賞:女は宮様への気持ちをはっきりとさせ、山から帰ったのでした。

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫