仏法の山路に入りかけながら(4)和泉式部日記を書いて

4.せきとめられぬほどの
釈文:「関山のせきとめれれぬ涙こそ あふみのうみとながれ出づらめ」

選字は「関山の勢支と免られぬ涙こ曽 あ婦三乃う美と那可連伊つらめ」

鑑賞:「関山の」は「せきとめれれぬ」を導く序詞的用法。「ながれ」に「流れ」と「泣かれ」をかけた。

歌意は「関山でも堰き止められぬほどのわたしの涙こそ、琵琶湖の水となって流れることでしょう。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社