仏法の山路に入りかけながら(2)和泉式部日記を書いて

2.ひたすら山に
釈文:「まことや うきによりひたやごもりとおもふとも近江の海は打ち出てを見よ」

選字は「ま故とや 有記耳よ梨飛多やこ裳り東思布と毛 阿ふ美農う三波雲ち出傳を見よ 」

鑑賞:「近江」に「逢ふ身」をかける。「うち出て」に「打出の浜」をかけた。

歌意は「つらくてひたすら山に籠ろうとしていたとしても、近江の海を出て景色を見てごらんよ。」

参考文献:和泉式部日記 清水文雄校注 岩波文庫