逢坂の関を越えてたづねてきた人は(5)和泉式部日記から

5.逢ふ道をお忘れか
釈文:「あふみぢは忘れぬめりと見しものを 関うち越えて問ふ人やたれ」

選字は「阿布三地者わ春れぬ免里と見志ものを 関有遅許盈弖登ふ人や堂れ」

鑑賞:「あふみぢ」(近江路)に「逢ふ道」をかけた。
歌意は「宮さまはわたしに逢う道もお忘れのようでしたので、逢坂の関を越えて近江路をたづねて来た方は、どなたでしょうか。」

参考文献:和泉式部日記 野村精一校注 新潮社