秋の寝覚め、夕べの訪問(1)和泉式部日記より

1.七月に
釈文:「かく言ふほどに、七月になりぬ。七日、すきごとどもする人のもとより、織女牽牛星といふことどもあまたあれど、目も立たず。」

選字は「か九言布ほと耳七月爾な利ぬ 七日須支ことヽ裳寸る人農も登よ梨織女牽牛星といふことヽ阿ま多あれと目も立多須」

鑑賞:「七月になりぬ」秋になった。陰暦では7月から秋が始まる。「すきごとども」風流な遊びをする人々。歌の贈答など。「織女牽牛星」七夕のこと。古事にちなんで、求愛の贈答があった。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社