久しぶりの宮の来訪は(3)和泉式部日記より

3.簾を下ろして

釈文:「女は、まだ端に月ながめて居たるほどに、人の入り来れば、簾うち下ろして居たれば、例のたびごとに目馴れてもあらぬ御すがたにて」

選字は「女はま多端耳月那可免て居多流奉と爾ひと 乃入利来れ者簾う地下ろして居多連八例の堂日 こ登耳目馴連て毛阿らぬ御寸可多に亭」

鑑賞:「簾うち下ろして」簾を下ろしてその陰に退いて座った。「端」から奥へ入っていった。「例の」いつも見慣れた宮のお姿と異なるご様子。

大意は「女はまだ端の方で月を眺めていたところ、人が入って来たので簾を下ろして奥へしたがりすわったところ、いつもと違う宮のお姿に」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社