そのまま南院にとどまりて(2)

2.夜が明けたけれど

釈文:「物語りあはれにし給ひて、明けぬれば、車寄せて乗せ給ひて、『御送りにも参るべけれど、あかくなりぬべければ、外にありと人の見んもあいなくなんとて、とどまらせ給ひぬ。」

選字は「物語あ 波連二し多万比て明希ぬれ者車よせての勢多満日て御送りに毛ま井る遍け連八外 にありと人農見無も阿い奈久那无登てとヽ 度ま羅せ多ま比ぬ。」

鑑賞:「御送りにも参るべけれど」送りに行くとすると、早朝の外出となり怪しまれる。そのため、明るくなったが、宮は女を南院にとどまらせた。

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一訳注 新潮社