花たちばなの香をかげば(1)和漢朗詠集を臨書して

1.橘の実に

釈文:「盧橘子低山雨重 栟櫚葉戦水風涼」白
書き下し文は「盧橘子低れて山雨重し 栟櫚葉戦いて水風涼し」

鑑賞:「盧橘」夏みかん。金柑。「栟櫚」『文集』では「棕櫚」となっている。

現代語にすると「黄金のように黄色に実った橘の実に、山から夕立の雨が降り、露を含んだ実が重そうだ。棕櫚の実に、湖上を渡ってきた風が涼しそうに吹いている。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫