夏を涼みつつ朗詠したい詩歌を(4)和漢朗詠集より

4.水辺の風が

釈文:「班婕妤団雪之扇 代岸風◻️長忘」
書き下し文は「班婕妤(ハンショウヨ)が団雪の扇 岸風に代へて長く忘れぬ」

鑑賞:「班婕妤が団雪の扇」班婕妤は漢の武帝の愛妃。後趙后飛燕のために寵愛を失った。明月のように丸く、雲のように白い絹扇も秋には捨てられることを怨歌行に歌った。

現代語にすると「水辺の風がとても涼しいので、班婕妤が歌った、かの団雪の扇を使うことも長い間忘れていた。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫