夏を涼みつつ朗詠したい詩歌を(2)和漢朗詠集から

2.露に濡れた筵は

釈文:「露簟清熒迎夜滑 風襟簫灑先秋涼」白
書き下し文は「露簟(ろてん)清熒(せいけい)として夜を迎へて滑らかなり 風襟簫灑(そうさ)として秋に先だって涼し」

鑑賞:『白氏文集』「池の上の夜境」詩
「露簟」露がしっとりと降りた竹のむしろ。
「清熒」すっきりして輝きがある。「風襟」衣服の襟首に風を感じること。「簫灑」さっぱり、すっきり。

現代語にすると「露の降りた竹むしろはすっきりして、夜になれば月明かりに輝いて滑らかである。さっぱりとさわやかな夏衣のえりに風が訪れて、秋が来たかのようだ。」

参考文献:和漢朗詠集  川口久雄訳注 講談社学術文庫