夏の夜に口ずさみたい詩歌(5)和漢朗詠集を書いて

5.さつきの短い夜は

釈文:「ほととぎすなくやさつきの夜も ひとりしぬればあかしかねつも」人丸

選字は「ほとヽ支須なくやさつ支のみし可よ もひと利しぬれ盤あ可しかねつも」

鑑賞:『拾遺集』夏、題知らず、読人知らずとして出る。『柿本集』『拾遺抄』にもある。

また、『万葉集』巻十、夏相聞の「鳥に寄する」の中に「ほととぎす鳴く五月の短夜も独りし寝ればあかしかねつも」とあり、同様に短い夏の夜も独り身には長く感じられることを詠んでいる。

現代語にすると「ほととぎすが鳴く五月の夜は、夏の盛りで一番短いのだが、ひとりで寝る身には明けるまで長い夜だな。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫