夏の夜に口ずさみたい詩歌(2)和漢朗詠集を書いて
2.竹林にそよそよと
釈文:「風生竹夜窓間臥 月照松時台上行」
書き下し文は「風の竹に生る夜窓の間に臥せり 月の松を照す時台の上に行く」
鑑賞:『白氏文集』「早夏朝より帰り、斎を閉ぢて独り処る」詩。『源氏物語』胡蝶巻に、「雨はやみて、風の竹に鳴る程、はなやかにさし出でたる月影、置かし貴様もしめやかなるに」とあるのは、この句による。
現代語にすると「後苑の竹林にさやさやと風がうちそよぐ夜、窓の間に臥して夕涼みをする。夏の月が松を照らす時、高どののほとりを歩く。」
参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫