同じ枝で鳴くほととぎす(6)和泉式部日記より

6.今日に心と

釈文:「けふの間の心にかへて思ひやれ ながめつつのみすぐす心を」

選字は「希婦農ま能こヽ楼耳可遍て於母飛や連 那可免つヽ乃美春久須心を」

鑑賞:「けふ」の言葉を使い、あなたは今日の苦しさを言いますが、私は毎日ぼんやりと過ごしていると対比している。

歌意は「苦しいまでに嘆く今日とおっしゃいますが、私の方は長い期間、物思いにばかり沈んでいるのです。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社