人生を心ゆくまで味わう(6)陶淵明・飲酒二十首其一から
6.達人は

釈文:「達人解其會 逝将不復疑」
書き下し文は「達人は其の会を解し 逝(ゆく)ゆく将に復た疑技らんとす」
鑑賞:「達人」広く道理に通じた人。『荘子』や『列子』に見える。「其會」法則の要となっている点。「逝将」やがてそうなろうとする。「不復疑」決して疑わない。
現代語にすると「道理に通じた人はこうした法則の要となっている点をよく理解し、決して疑うことがなく、そのままにする。」
書の特徴:「解」は右の行が控えめであるのに対して、広大に紙面に働きかける。「其」は小さく抑えて行の広狭を形成する。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社