老練な女房と平通宗・中将との(2)建礼門院右京大夫集より
2.取次を頼んでも
釈文:「通宗の宰相中将の、、つねにまゐりて、女官など尋ぬるも、はるかに、えしもふとまゐらず。」
選字は「通宗の宰相中将農つ年爾ま井利て女官 なと尋ぬるも、はるかに、えしもふとまゐらず。」
鑑賞:「女官」宮中で御湯殿・御台盤所などに仕える下臈な女房の称。下臈とは年功を積むことが浅くて地位の低いこと、または人。上﨟、中臈があり、諸大夫の娘などで、宮仕の女房は多く中老に属する。
大意は、「女官などに取次を頼んでも、場所が遠くてすぐには出てくることができない。」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社