平親長と月の贈答歌を(3)建礼門院右京大夫集を書いて

3.若い女官たちの中を

釈文:「若き人々台盤所にありし中を、かきわけかきわけ、後のかたによりて、ふところよりとり出でて、たびたりし。」

選字は「王か支人々 台盤所耳あ利志那可を駕支わ希可 幾王介後のかたによりて、ふところよりとり出でて、たびたりし。」

鑑賞:「台盤所」食物を盛った器を載せる台盤を置く所。宮中では、清涼殿の西庇にある御膳所で、農坊の詰所。

大意は「若い女官たちが台盤所にいた中を、かきわけかきわけ私の後ろの方に寄って、懐から次の歌を取り出してくださった。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社