はかない契りを嘆いても(2)建礼門院右京大夫集から
2.水の上に浮かぶ泡のよう
釈文:「かたばかり 書きて手向くる うたかたを ふたつの星の いかが見るらむ」
選字は「か多盤可り書き傳堂む久類う多可 たを布多徒の星能い可ヽ見るら無」
鑑賞:「うたかた」は泡沫。多くは、はかなく消えやすいことの例えに用いる。この場合は、作者が我が身をはかないものとたとえ、「歌」をかける。
歌意は「型通り自分のはかない身の上を描いても書きつくせないのに、手向ける歌を二星はどのように思って見ていることだろうか。」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社