天の河にかささぎが翼を並べて(4)建礼門院右京大夫集から

4.天の河のかささぎが

釈文:「彦星の あひみるけふは なにゆゑに 鳥のわたらぬ 水むすぶらむ」

選字は「彦星の阿日見流介布盤奈爾遊 衛耳鳥能わ多らぬ水无春ふら無」

鑑賞:「鳥」はかささぎ。七夕伝説ではかささぎが翼を並べて橋の代わりにかけ、彦星を渡らせるという。「水」は彦星と織女をうつすたらいの水のこと。

歌意は「二星が逢う今日は、どうして朝早くかささぎが来ないうちに、たらいの水を汲むことになっているのだろうか。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社